« 頼られている責任 | トップページ | ストーンズ日本公演! »

2006年1月19日 (木)

最高の医療とは

大学に某患者さんのフィルムを持っていく。小児もやもや病の患者さんで静岡の病院での手術に不安を抱き相談された。病院で血管外科エキスパートの岡田先生に相談する。やはり多くの症例手術経験のある先生の判断、言葉は凄い。

以前脊髄腫瘍で僕が執刀した患者さんが、今度は以前からあった脳腫瘍の手術のため入院しているため面会する。僕が手術する前は歩行できなかったが手術後改善し今では普通に歩行できるようになっていたのでうれしかった。脳腫瘍の手術も無事終わり、明日退院だそう。こういうときは医者冥利に尽きる瞬間で、自分の苦労が報われた気持ちになる。

病室で雑談していたら今は亡き旦那さんは以前ハワイで心臓バイパス手術を受けたそうで、医者がアロハを着て診察していることや、合理的なシステムを絶賛していた。ちなみにアメリカでは長期入院のシステムはなく患者はホテルに滞在し通院することになる。1ヶ月で2000万円かかったとのこと。お金持ちにはいいシステムだけれど、お金がない人には医療は受けれない。

一方、クリニックに来る某患者さんは高齢で一人暮らし。在宅酸素でがんばって入院せずに日々生活できているが、先日の窓口支払いが3割負担で3万円もかかった(酸素代を含む)。診察時のお話では最近食事が取れないので食事代わりにカロリーメートを買って食べているがその200円が負担になるとのこと。僕が余計に儲けているわけではないけれど申し訳ない気持ちになる。

医療費抑制というけれど、結局は国(財務省)の負担を減らしたいだけ。医療費が多くて国が滅ぶからしょうがない!とは財務省の医療費抑制の前提になっているが、世界先進諸国中で国民医療費GDP比が日本は最低レベルであること、日本の国民医療費は日本のパチンコ産業の年間売り上げ位の規模であることを考えるとあまりに幼稚な考えだ。

僕ら現場の人間は、安い診療報酬で、なおかつ最高の医療を提供しようとしている。医療関係者の人件費は医療費の増大にはあまり関係ない。(むしろ減っている人もいるくらい)医療費がかからないように最低限の検査、投薬しかしていなくても、もし患者さんに何か問題が起これば誤診や医療過誤だと責められる。もっと現場を見て欲しい。

最近のTVニュースも、どのチャンネルも同じこと、同じ意見しか報道しないので面白くないし、むしろ何か恐ろしい気持ちになる。専門家といわれるコメンテーターも薄い意見しか言わない。この違和感を感じるのは僕だけなのだろうか?

制度や社会がどうであろうと、自分自身、とにかく患者さんを自分の家族だと思って、最高の医療を目指して、日々現場でがんばるしかないと思う。

|

« 頼られている責任 | トップページ | ストーンズ日本公演! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 最高の医療とは:

« 頼られている責任 | トップページ | ストーンズ日本公演! »